返報性の原理とは。事例と解説と心理学実験。
- 2013/12/08
- 06:40
返報性の原理とは。
人は他人から何らかの施しを受けた場合など、
その施しに対して何らかの形で
お返しをしなければならないという感情を抱く。
この心理現象こそが返報性の原理であり、
この返報性の原理を利用して小さな施しから
で大きな見返りを得る商業上の手法が広く用いられている。
返報性の事例。
スーパーやデパート等で行われている試食コーナーなど。
試食コーナーは無料で食品を提供し、
その味を客が確かめ購買に値すると判断した場合
消費者がその商品を買うという販売戦略であるが
その試食コーナーを有人にするか無人にするかで
同じ味の商品を並べておいても購入率が大きく異なる。
そこに人員を配置して店員から直接食品を手渡されることにより、
その味は無関係に商品を買わなければいけないという気持ちになる。
そこに人員を配置していなければ、
そこに返報性の原理は生まれず、
単純な「味」でその商品の購入の決定が成される。
返報性の注意点。
ただ客が求めていない状況で積極的に試食や購入を促す場合、
「返報性の原理」は「一貫性の原理」へと変わってしまう。
また、高額な商品を勧めて断られてしまった後に、
低額な商品を勧めるとその顧客は購入を断りにくくなる。
これは高額商品を売ることを諦めて
低額商品に切り替えるという相手の譲歩に対して、
こちらも譲歩しなければという返報性の原理によるものである。
この心理を応用した交渉術を
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックと呼ぶ。
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