人種差別を作り出す心理学実験、茶色い目と青い目。
- 2013/11/17
- 00:15
人種差別を作り出す心理学実験、茶色い目と青い目。
男女20人、小学校2~3年生くらいのあるアメリカンスクール。
ある女性教師がこんな質問を投げかけた。
教師:人として大切な事は何ですか?
生徒達:思いやりを持つ事です。
教師:そう、思いやりをもつことね、全てを本当の兄弟のように。
でも、世の中には親切にされていない人たちもいますね?
生徒達:・・・黒人とか。
教師:ほかには?
生徒達:インディアン。
教師:そうね
肌の色が違う人を見た時みんなはどう思うかしら?
生徒達:バカな人たちって思います。
教師:ほかには?黒人のことを何て呼ぶ?
生徒達:ニガーとか。
教師:アメリカでは
肌の色の違う人はどんな扱いを受けていますか?
生徒達:仲間はずれにされます。
教師:なぜ?
生徒達:肌の色が違うから。
教師:その人たちの気持ちがわかる?
生徒達:・・・
教師:実際に経験するまでわからないでしょう。
試しに目の色で人を判断してみましょうか。
生徒達:!?
教師:どう?
生徒達:・・・
教師:先生は青い目だから
青い目の人が偉い事にしましょう。
青い目の子はみんないい子です。
生徒達:ほんとに?
教師:ほんとよ。
青い目の人はみんな頭がいいの。
生徒:笑
じゃあ僕のパパは?
教師:君は茶色い目ね?お父さんも茶色い目なの?
生徒:そうです。
教師:あなた、前にお父さんに叱られて蹴られたって言ってたわね。
青い目の人なら絶対にそんな事はしないわ。
青い目のお父さんは子供を蹴ったりはしません。
生徒達:・・・
教師:青い目の人は茶色い目の人より優れているんです。
生徒達:・・・。
そしていつも通りの授業がはじまり、
教師は青い目の生徒を率先して優遇し褒め称え、
茶色い目の生徒をバカにし続けた。
そんな問答がしばらく続き、午前中の授業が終了。
休み時間、そして給食時間に入るが・・・
教師:青い目の子だけ5分間自由に遊んでいいわ。
茶色い目の子は水飲み場を使わない事。いいわね?
生徒達:・・・
教師:それと青い目の子とは遊ばない事。
茶色い目の子はダメな子だからね。
生徒達:・・・
教師:あと、茶色い目の子は一目でわかるように
洋服にこのエリを付けなさい。
また、昼食は青い目の人たちから。
茶色い目の人はお代わりをしてはいけません。
何故かわかるわね。
茶色い目の生徒:・・・バカだから。
教師:それだけ?
茶色い目の生徒:欲張りだから・・・です。
そして午後の授業が始まる。
教師:昼休みにケンカをしたって?
生徒達:はい。
○○(青い目の生徒)と○○(茶色い目の生徒)がケンカしました。
教師:何があったの?
茶色い目の生徒:○○が悪口を言ったから殴った。
教師:○○(青い目の生徒)に○○(茶色い目の生徒)は何て言ったの?
青い目の生徒:・・・茶色い目って言っただけよ。
教師:○○(茶色い目の生徒)はそう言われたの?
茶色い目の生徒:青い目の人はみんなそう呼んできます。
来い!茶色い目!って。
青い目の生徒:そっちも「青い目」って呼んできたじゃない。
教師:では、茶色い目の生徒は何故そう言われるのが嫌なの?
茶色い目の生徒:何かバカって言われているみたいで・・・。
青い目の生徒:黒人をニガーって呼ぶのと同じだよ。
教師:で、あなたが殴ったのね。
茶色い目の生徒:・・・はい。
教師:殴って解決した?
茶色い目の生徒:いいえ。
教師:すっきりした?
茶色い目の生徒:いいえ。
教師:じゃあ君は何故、「茶色い目」って呼んだの?
青い目の生徒:・・・茶色い目だから。
教師:でも、昨日まではそんな呼び方はしてなかったわよね?
茶色い目の生徒:エリをつけたせいだ。
僕達をからかってるんだ。
教師:からかったの?それともいじわるしたの?
青い目の生徒:・・・意地悪かな。
女性教師は語る
私は賢い子どもたちが差別を始める様子をじっと観察していました。
たった15分で彼等を悪意に満ちた差別を始めるようになってしまったのです。
そして翌日・・・
教師:昨日、青い目の人の方が偉いと言ったのは実は間違いでした。
生徒達:・・・またその話ですか?
教師:本当は茶色い目の人の方が偉いのよ。
生徒達:ザワザワ
教師:あなた、メガネは?
青い目の生徒:忘れました。
教師:あなたの目の色は何色?
生徒達:青です。
教師:茶色い目のメガネをかけた子はメガネを忘れてませんね。
でも、青い目のこの人はどう、みんな?
生徒達:忘れてます。
教師:そうね。
あと、あなたは以前、妹とケンカをして妹を叩いたと言ったわね。
青い目の生徒:はい。
教師:つまり青い目の人は乱暴でケンカばかりする人達なんです。
生徒達:・・・
教師:茶色い目の人は昨日のエリを取って青い目の人に付けてください。
率先してエリを外し、近い席の青い目の子どもにエリを付け替える子供達
昨日と同じように今後は茶色い目の子供達を率先して褒め称え、
青い目の子供達をバカにし続ける教師。
そして休憩時間に入り・・・
教師:茶色い目の子は5分間多く休憩時間を取って遊べます。
青い目の子は遊び道具を使わない事。
茶色い目の子と遊ぶ事も許しません。
茶色い目の子はみなとてもいい子です。
でも、青い目の子はみなダメな子。
彼がいい例ね。
生徒達がその生徒に注目する。
教師:見てごらん。ふてくされてきちんと座る事も出来ないのよ。
そして午後の授業が始まる。
教師:青い目の人は今日、何かわかった?
青い目の生徒:昨日の茶色い目の人の気持ち。
教師:それはどんな気持ち?
生徒達:鎖に繋がれた犬のような気持ち。
まるで一生牢屋に入ってろって言われたような感じです。
教師:目の色で人を差別していいと思う?
生徒達:思いません。
教師:肌の色では?
生徒達:ダメなことだと思います。
教師:肌の色で人を判断できる?
生徒達:出来ません。
教師:これからはこう答えなさい。
人を肌の色で差別してはいけないと。
生徒達:はい。
教師:道で黒人やインディアンに会った時、バカにしますか?
生徒達:いいえ、しません。
教師;じゃあエリを取りなさい。
エリを外す青い目の子供達
教師:それをどうしたいですか?
生徒達:捨てたいです。
教師:ではそうしなさい。
エリをゴミ箱に捨てに走る子供達
教師:どう?昨日より少しは利口になった?
生徒達:なったと思います。
教師:大事な事を学べたわね。
生達達:はい。
教師:じゃあ、楽しい授業だったわね。
生徒達:いいえ・・・大事な事を学べたけど、
もう二度とやりたくありません。
教師:じゃあ青い目の子も茶色い目の子もここに一緒に座りなさい。
生徒達:はい
教師:みんな、もう元に戻ったわね?
生徒達:はい
教師:どう、嬉しい?
笑顔に戻る生徒達
教師:目の色は人の中身と関係ある?
生徒達:ありません
これは人種差別に反対する女性教師が
実際に行った心理学実験的な「授業」である。
・その場の権力者(この場では教師)の一言で人は人を簡単に差別してしまう。
・権力者の一言やその環境で人の能力は簡単に左右されてしまう。
・人は悪意の原因を強制的に身に付けられた対象物に責任転嫁してしまう。
・本当に大切な事を学ぶという事は、決して楽しく楽な事ではない。
これがこの心理学実験で学べる教訓である。
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